DEATH ROOM / ARCHIVE
存在しない13階
このプロジェクトのために書かれた創作怪談です。実在の人物、場所、事件を伝えるものではありません。
エレベーターのボタンは12階までしかなかった。ところが午前3時、その下の空白の金属板に赤い13が浮かび上がった。それまでは従業員の冗談だと思っていた。「朝までは部屋の外に出ないでください。」
ドアが開くと、廊下には13の客室が並んでいた。各部屋の前には靴が一足ずつ置かれている。どれも今日私が履いてきたものと同じだった。一番奥の部屋の前だけ、片方しかなかった。
閉じるボタンを押しても動かなかった。天井からアナウンスが流れた。「お客様、もう片方の靴もお脱ぎください。」足元を見ると、右の靴が消えていた。
靴下のまま階段を駆け下りた。12階分下りて非常扉を開けると、一番奥の部屋の前の靴が両方そろっていた。中から私の声がした。「遅かったね。」