DEATH ROOM / ARCHIVE
最後の宿泊客
このプロジェクトのために書かれた創作怪談です。実在の人物、場所、事件を伝えるものではありません。
チェックインカードを書いていると、従業員が私の後ろを見て言った。「お二人ですね。」一人だと答えると、彼は笑ってカードキーをもう一枚差し出した。
部屋には水が2本、スリッパが2足あった。予約の手違いだと思った。シャワーから出ると、水が1本空になっていた。スリッパの横に、濡れた足跡が並んでいた。
フロントに電話した。「ほかに誰かいるようです。」従業員はしばらく黙り、やがて小さな声で尋ねた。「どちらのベッドをお使いですか?」
ベッドは一つしかなかった。そう答えると、従業員が電話の向こうで誰かに言った。「今回も先に気づきましたね。」鍵のかかった浴室から、チェックイン時の私の声が漏れた。「お二人ですね。」